書評
―大江透 著―不整脈―ベッドサイド診断から非薬物治療まで
栗田 隆志
1
1国立循環器病センター・心臓血管内科
pp.1061
発行日 2007年9月15日
Published Date 2007/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404100894
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評者は20数年前,レジデントとして赴任した国立循環器病センターにて本書の著者,大江 透先生に出会った.昼夜を問わず嬉々として患者のもとに赴き,精力的に診察する姿勢に惹かれ,評者は迷わず大江門下生のひとりになった.先生は日頃より診療で得られた心電図や臨床所見を臨場感溢れるストーリーに仕上げ,ファイルに留めておられた.これが知る人ぞ知る「大江ノート」である.難解で興味深い心電図があると先生は必ず「大江ノート」を持って現れ,過去の症例と比較しながら病態の本質へと迫るのである.私たちは目の前で繰り広げられる大江ワールドの虜になった.
新著「不整脈」は先生の独創的なアイデア・発見のルーツとも言うべき「大江ノート」の集大成であり,宝物のように珍重されていた心電図や心内電位図が惜しげもなく展開されているものである.20年前,評者が深夜までお供しながら記録した心電図も掲載されており,懐かしい気持ちで胸が一杯になる.
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