Japanese
English
Bedside Teaching
寄生虫肺疾患
Parasitic Pneumonosis
永倉 貢一
1
,
近藤 哲理
2
Koichi Nagakura
1
,
Tetsuri Kondo
2
1東海大学医学部生体防御機構系感染症学部門
2東海大学医学部呼吸器内科
1Department of Infectious Diseases, Tokai University School of Medicine
2Department of Respiratory Medicine, Tokai University School of Medicine
pp.385-388
発行日 2003年4月1日
Published Date 2003/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404100792
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はじめに
寄生虫には単細胞性の原虫と多細胞性の蠕虫(線虫類,条虫類と吸虫類,さらに節足動物)があり,寄生部位によって体内部寄生と体外部寄生に分類される.ヒトに感染する寄生虫はヒトに固有の寄生虫だけではない.体内部に寄生し肺病変を起こしやすい寄生虫は,ヒトの寄生虫以外にも動物の寄生虫が偶発的に感染する例を含めると約80種類が存在するといわれている.
このような寄生虫肺疾患は古くから成書で述べられてきたが,現在の呼吸器内科分野ではカリニ肺炎と肺吸虫症ぐらいしか遭遇しないのが現状であろう.しかも,カリニが真菌の一種と認定されたので,この分野では現実には肺吸虫の2種類を知っていればよいことになる.だが,この日本でも,近年の寄生虫のリバイバルに伴って,時として思いがけない寄生虫症に遭遇することがある.呼吸器内科諸家が遭遇する可能性の高い寄生虫を表1にあげた.
本稿では,これら寄生虫症の一部を紹介し,寄生虫学的な面から血清診断の重要性を論述する.
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