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綜説
高脂血症はどこまで治療すべきか―「More means less」仮説は正しいか?
How Intensively should Hyperlipidemia be Treated?:“more means less” or not
横手 幸太郎
1
Koutaro Yokote
1
1千葉大学医学部附属病院第二内科
1Second Department of Internal Medicine, Chiba University Hospital
pp.1129-1136
発行日 2003年11月1日
Published Date 2003/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404100748
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はじめに
いまや冠動脈性心疾患(CHD)の重要なリスクファクターとしてその位置付けが確立した高コレステロール血症は,日常臨床の場でも頻繁に遭遇する疾患である.そして近年,HMG還元酵素阻害剤(通称スタチン)の登場により,たいがいの患者の血清総コレステロール(TC)値を“検査会社の定める正常値”までは比較的容易に低下させることができるようになった.
また,各種大規模臨床試験の成績から,スタチンを用いてLDLコレステロール(LDLC)値を低下させれば血管イベントの発生率を25~35%減少させられることもわかった1~5).それでは,LDLCは低ければ低いほどよいのだろうか? それとも,これ以上下げても意味がない,あるいはこれ以上低くするとよくない,という閾値が存在するのだろうか? 本稿では,過去の臨床試験の流れを振り返りながら,最新の研究成果を踏まえ,これからの高脂血症の治療目標について考えてみたい.
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