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特集 肺高血圧症の最近の治療
肺高血圧症に対するホスホジエステラーゼ5型阻害薬シルデナフィルの内服療法
A Potential Role of Sildenafil,a Selective PDE-5 Inhibitor,in the Management of Pulmonary Hypertension
渡邉 裕司
1
Hiroshi Watanabe
1
1浜松医科大学臨床薬理
1Department of Clinical Pharmacology and Therapeutics, Hamamatsu University School of Medicine
pp.881-886
発行日 2003年9月1日
Published Date 2003/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404100713
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はじめに
シルデナフィル(商品名バイアグラ)は,英国ファイザー研究所で抗狭心症薬を開発中に,勃起症状を副作用として持つ薬剤として発見された.その後,臨床試験を経て勃起不全治療薬として米国FDAより認可され,わが国では1999年3月から自由診療の薬剤として発売が開始されている.しかし,シルデナフィルのターゲットとなるホスホジエステラーゼ5型(PDE-5)は陰茎血管以外に肺血管にも多く分布しており1),シルデナフィル投与が勃起不全のみでなく肺高血圧症にも極めて有効であることが近年注目されるようになった2,3).われわれも,肺高血圧症に対するシルデナフィル治療の有効性について検討を行い,すでに数症例には2年以上シルデナフィルを継続投与し長期の改善効果を認めている.
本稿では,肺高血圧症に対するシルデナフィル内服療法の有効性について,われわれの成績をまじえ紹介したい.
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