Japanese
English
特集 急性肺塞栓症の最新の知見
急性肺塞栓症に対するIVC filterの適応と成績
Indication and Outcome of IVC Filters for Acute Pulmonary Embolism
中村 真潮
1
Mashio Nakamura
1
1三重大学大学院医学系研究科循環器内科学
1Department of Cardiology, Graduate School of Medicine, Mie University
pp.695-702
発行日 2005年7月1日
Published Date 2005/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404100578
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
はじめに
急性肺血栓塞栓症(以下,肺塞栓症と略す)は,下肢や骨盤内の深部静脈に形成された血栓が遊離して,血流により中枢に流れて肺動脈を閉塞し,呼吸循環障害を来す疾患である.塞栓源である深部静脈血栓が肺動脈に到達するのを機械的に防止するために考案されたものが下大静脈フィルターである.古く1970年代初めから,経カテーテル的に永久留置型フィルターの挿入が行われるようになった.しかし,その後,非永久留置型フィルターの開発によりその適応は大きく変化しており,現時点での議論の集約をみていない領域である.本邦における使用頻度も年々高くなっている1~3)(表1).
本稿では,下大静脈フィルターの現況および成績やガイドラインを概説し,最近の適応に関する考え方を述べたい.
Copyright © 2005, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.