Japanese
English
Bedside Teaching
Polymorphismと薬剤感受性
Genetic Polymorphisms and Individual Variability in Drug Response
山吉 康子
1
,
三原 潔
1
,
谷川原 祐介
1
Yasuko Yamayoshi
1
,
Kiyoshi Mihara
1
,
Yusuke Tanigawara
1
1慶應義塾大学病院薬剤部
1Department of Pharmacy, Keio University Hospital
pp.293-300
発行日 2004年3月1日
Published Date 2004/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404100273
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はじめに
薬剤感受性における個人差は,後天性因子(例えば併用薬や臓器機能)の寄与も無視できないが,薬物動態と薬力学に関与する機能性タンパクの発現量や活性は遺伝子により制御されているため,遺伝子多型の影響はかなりの部分を占めると考えられる.遺伝子多型には,DNA塩基配列の一塩基変異多型(SNP)をはじめ,DNA塩基の欠失,挿入,重複,転座などがあり,タンパクをコードしている遺伝子にこれらの変異が起こると,その発現量や活性に変化が生じ,薬剤感受性に影響する可能性がある.
ヒトゲノムの解読完了とともに,薬剤感受性に影響するゲノム情報が急速に蓄積されつつある.こうしたゲノム情報を応用して患者個々の薬剤感受性を予測し,最適な薬剤の選択と用法・用量を設定するいわゆる“オーダーメイド医療”がしだいに現実味を帯びてきた.
本稿では呼吸器・循環器用薬を中心に,これまでに得られたpolymorphismに関する知見を,日本人において比較的頻度の高い遺伝子変異に絞り,薬物動態学と薬力学の両面から紹介する.
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