Japanese
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綜説
Overlap Syndrome
Overlap Syndrome
赤柴 恒人
1
Tsuneto Akashiba
1
1日本大学医学部内科
1First Department of Internal Medicine, Nihon University School of Medicine
pp.51-55
発行日 2004年1月1日
Published Date 2004/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404100237
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はじめに
Overlap syndromeとは,Flenleyにより,“Principles and Practice of Sleep Medicine (edited by Kryger MH et al. 1989)” のなかで提唱された概念であり1),慢性閉塞性肺疾患(COPD)に閉塞型睡眠時無呼吸症候群(OSAS)が合併した病態を指す.両者とも比較的頻度が高い疾患であり,両者が合併すると,睡眠中に著しいガス交換障害(低酸素血症と高炭酸ガス血症)が認められるとされている(図1).特に,図に示すように,低酸素血症はREM(rapid eye movement)睡眠時に著明となる.COPDはA型(pink puffer)とB型(blue bloater)に分類されるが,特に後者は,日中の覚醒時において高度のガス交換障害(低酸素血症と高炭酸ガス血症)が存在し,睡眠中にさらに増悪するために,安易な酸素投与は高炭酸ガス血症をさらに増悪させると述べられている.Flenleyは,この点を強調し,blue bloaterではOSASの合併を念頭におくべきとして本症候群を提唱したものであろう.しかし,1994年に改訂された “Principles and Practice of Sleep Medicine(edited by Kryger MH et al.)” の第2版では,本症候群の記載はなく,COPDの項でSASとCOPDの合併についてわずかに述べられているにすぎない2).
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