巻頭言
症候は天与の黙示
松岡 健
1
1東京医科大学霞ヶ浦病院内科学第5講座
pp.1109
発行日 2005年11月1日
Published Date 2005/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404100127
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東京医科大学霞ヶ浦病院長を拝命してから1年になる.ボランティア活動をしている友人に勧められ,病院玄関にて毎朝30分間だけでも総合案内をしながら患者さんの相談を受けている.その際,症候として呼吸困難,胸痛,いびき等々実に多彩で,呼吸器疾患の患者さんなのか?循環器に回そうか悩むことが多い.特に困難な時はついつい総合内科にお願いしてしまい,当科はパンク状態である.患者さんにとっては呼吸器,循環器,内科,外科,どこに受診するかは余り重要ではなく,病気を治してくれればどこでも良いわけであるので,内科と外科の壁を取り払い呼吸器センターを構築したがすこぶる評判が良い.
さて,卒前教育では医学教育モデル・コア・カリキュラムが平成13年に提唱され,オロジー(…学)に固執しない症候,病態からのアプローチが各大学のカリキュラムの主流となりつつある.そしてその評価法として共用試験システム(CBT)が推奨され,臨床実習直前の医学生に平成17年度より全国各大学に本格導入される.先日そのCBT用に全国から集められた問題のブラッシュアップ委員会が開かれ参加した.私が参加した部署は順次回答四連問形式(タイプQ)というところで,たとえば症候が胸痛で来院した患者さんを医療面接し,診察,鑑別診断,検査後,肺血栓塞栓症と診断する.そのプロセスに伴い,病態生理まで問う形式である.
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