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Current Opinion
先天性心疾患―成人期の管理を中心に
Adult Congenital Heart Diseases:Management of patients
中西 敏雄
1
Toshio Nakanishi
1
1東京女子医科大学循環器小児科
pp.309-315
発行日 2005年3月1日
Published Date 2005/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404100041
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成人先天性心疾患の管理をめぐる最近1年間の全般的な話題
先天性心疾患をもつ成人の数は,先天性心疾患の治療技術の向上に伴って増加傾向にある.米国では80万から100万人,ヨーロッパでも100万人の成人先天性心疾患患者がおり,その半数は中等度以上の重症度で,定期的なフォローが必要な疾患であるといわれる.わが国でもその半数を若干下回る数の患者が存在すると思われる.そのような患者を誰がどこでフォローし治療していくのが最良であるのか,議論されるべきである.
1 成人先天性心疾患センター
Webb1)は,成人先天性心疾患を,先天性心疾患専門医が定期的にフォローすべき疾患(表1),専門医が時々フォローすべき疾患(表2),専門医でなくてもよい疾患(表3)に分類している.わが国では,これら全ての疾患が,小児科医,内科医,循環器小児科医,循環器内科医,そして稀に成人先天性心疾患専門医によってまちまちにフォローされているのが現状であろう.Webb1)は,人口500万人から2,500万人をカバーするセンターを作って,そこで表1と表2の患者を集中的にみるべきであると主張している.そしてそのセンターには,成人を知る循環器小児科医,先天性心疾患を知る循環器内科医が勤務すべきで,そのセンターの中でも,妊娠や心不全,不整脈などの部門は専門化し,知識を集積すべきであるという.わが国では,誰がセンターを選定するのか,誰を専門医と定義するか,小児科から患者が適切にそのセンターに紹介されるか,などの問題が残っている.
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