Japanese
English
今月の主題 大腸腫瘍診療の最前線
序説
大腸腫瘍診療の最前線
Introduction
山野 泰穂
1
Hiro-o Yamano
1
1札幌医科大学医学部消化器内科学講座・消化器内視鏡センター
キーワード:
大腸腫瘍
,
大腸癌
,
内視鏡検査
,
AI
,
オンライン医療
Keyword:
大腸腫瘍
,
大腸癌
,
内視鏡検査
,
AI
,
オンライン医療
pp.1223-1224
発行日 2022年9月25日
Published Date 2022/9/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403202992
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本邦における死亡数は「令和2年(2020)人口動態統計月報年計(概数)の概況」1)によると年間約137.3万人であり,死因の第1位は悪性新生物(腫瘍)で約37.8万人を数える.また,がんの罹患者数は「国立がん研究センターがん情報サービス」2)における最新がん統計よると2018年度で約98万人と報告されている.この数字を見ただけではあまり実感がない方もいると思うが,47都道府県庁所在地の人口3)と悪性新生物での死亡者数を比較すると第26位の長野市(約37万人)と同等であり,罹患者数は第11位の千葉市(約98万人)に匹敵する数であり,読者諸兄がお住まいの地域と比較すればいかに大きい数字であるのかが理解できる.
これら悪性新生物の中で大腸癌に関して言えば,がん死因の第2位(約5.2万人)であり,罹患者数に至っては第1位(約15.2万人)である.さらに,大腸腫瘍で括るとこの数十倍以上の数に上ると推測され,把握できないほどの数になる.さらに,近年では潰瘍性大腸炎(約14万人),Crohn病(約4.7万人)といった炎症性腸疾患の罹患者数(受給者証所持数)4)も増加しており,これらの疾患を母地に発生する炎症性腸疾患関連腫瘍,特にUCAN(ulcerative colitis associated colorectal neoplasia)をはじめとした腫瘍も必然的に増えてきていると考える.このような背景のもとで大腸腫瘍診療には多様かつ大いなるニーズが見込まれる.
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