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増刊号 図説「胃と腸」画像診断用語集2022
病理
parietal cell hyperplasia/protrusion
parietal cell hyperplasia/protrusion
二村 聡
1
1福岡大学筑紫病院病理部・病理診断科
pp.729
発行日 2022年5月24日
Published Date 2022/5/24
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403202886
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parietal cell hyperplasia/protrusionは,“胃底腺構成細胞の一つである壁細胞(塩酸分泌細胞)の数が増し,かつ,同細胞の細胞質が膨らんで腺腔側に突出した状態”を意味する病理組織学的所見用語である.典型例では当該胃底腺の内腔の縁取りが鋸歯状を呈することから,低倍率視野でも容易に認識できる.
本所見の最初の記載は,ドイツのStolteら1)によるが,彼らはprotrusionではなくpseudohypertrophyという用語を使った.壁細胞の細胞質の特徴的な膨らみと,腺腔側への出っ張り(凸面形成)をconvexly bulgingと表現した.その後,Krishnamurthyら2)が,壁細胞の細胞質の舌状の突出像をPCP(parietal cell protrusion)という用語を使って報告した.本所見は,いまやプロトンポンプ阻害薬(proton pump inhibitor ; PPI)の長期使用に関連した代表的な胃粘膜変化の一つとして臨床医にも病理医にも広く認知され,また,血清ガストリン値と正の相関を示す病理組織学的変化の判断根拠となっている.
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