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増刊号 消化管診断・治療手技のすべて2021
小腸
診断
MR Enterography
Magnetic Resonance Enterography
竹中 健人
1
,
北詰 良雄
2
1東京医科歯科大学消化器内科
2東京医科歯科大学放射線診断科
pp.698-699
発行日 2021年5月24日
Published Date 2021/5/24
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403202413
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MREの実際
近年,機器の進化により撮影時間が短くなり,蠕動を伴う小腸でも評価可能なMRE(MR enterography)が開発された.MREは下部消化管内視鏡では評価できない回腸・空腸を評価できるだけでなく,腸管壁や腸管外の情報も得ることができ,瘻孔や膿瘍などの合併症を生じるCrohn病を診療する際に,非常に有用となる.また,MREによる予後予測の指標も報告されており,臨床的寛解であるCrohn病においてMREによりその後の再燃,入院,手術が予測可能となった1).
小腸は通常,内腔は虚脱している.検査精度を高めるために,等張液で適度に腸管を拡張させた後に,MRI(magnetic resonance imaging)を行う必要がある.MRI機器は1.5T以上のスキャナーであれば十分に評価可能である.撮影シークエンスも一般的なものであり,新規の機材やソフトウエアは必要なく,検査の導入は物理的には容易である.一方,前処置が必要であるため,処置を行う場所の確保と,検査手順の理解を含めた放射線科・コメディカルの協力が必要である.
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