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増刊号 消化管診断・治療手技のすべて2021
胃
治療
ESD絶縁体系(ITknife,ITknife2)
Insulation-tipped Diathermic Knife
田邉 聡
1
,
和田 拓也
2
1北里大学医学部新世紀医療開発センター
2北里大学医学部消化器内科学
pp.630-631
発行日 2021年5月24日
Published Date 2021/5/24
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403202372
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早期胃癌に対する内視鏡的粘膜下層剝離術(endoscopic submucosal dissection ; ESD)が開発されて20年近くになり,その手技も確立され広く普及してきている.絶縁体系の代表であるITknife(オリンパス社製)(Fig.1a)は細川ら1),Onoら2)により開発され,2002年に世界で初めてESDの専用処置具として市販化された.ITknifeの特徴は,針状ナイフの先端にセラミックの絶縁チップを付けることにより,穿孔を防止する構造になっている.先端の絶縁チップの部分を切開面に引っ掛け,針状のブレードで粘膜,あるいは粘膜下層の組織に通電して切開・剝離を行う.特に,ITknifeの改良型であるITknife2(オリンパス社製,Fig.1b)は絶縁チップの裏に放射状のショートブレードが装着されており,従来のITknifeと比較して切開能,止血能が向上した2).そのため,他の先端系の処置具と比較して,切開・剝離速度が速いのが利点である.本稿ではITknife2を用いた胃ESDの基本手技について解説する.
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