Japanese
English
今月の主題 知っておきたいまれな大腸良性疾患
主題症例
blue rubber bleb nevus syndrome
Blue Rubber Bleb Nevus Syndrome
佐野村 洋次
1
,
田中 信治
1
,
岡 志郎
2
,
茶山 一彰
2
Yoji Sanomura
1
1広島大学病院内視鏡診療科
2広島大学病院消化器・代謝内科
キーワード:
BRBNS
,
血管腫
,
ポリドカノール
Keyword:
BRBNS
,
血管腫
,
ポリドカノール
pp.828-830
発行日 2017年5月25日
Published Date 2017/5/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403201089
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
- サイト内被引用 Cited by
疾患の概念
青色ゴムまり様母斑症候群(blue rubber bleb nevus syndrome ; BRBNS)は,皮膚や消化管を中心とした全身臓器に血管腫を合併する症候群である1).疾患の発生頻度は14,000人に1人とまれな疾患で,男女比は1:2と女性に多いとされる2).BRBNSの皮膚血管腫は全身に多発することが多く,約半数が小児期までに発生する.加齢とともに血管腫の数,大きさが増大し,薄い表皮に覆われ,青色乳首様に観察される.ほとんどは散発性であるが,9番染色体短腕の異常が指摘された常染色体優性遺伝の報告もある3).病理組織学的には,海綿状または毛細血管性血管腫と報告されてきたが,近年,さまざまな血管形態異常を示す静脈奇形(venous malformation)とする報告がある4).消化管の血管腫はしばしば出血を来し,黒色〜暗赤色便や貧血を来すことがあるため,BRBNSと診断された場合,全消化管の検索を行う必要がある.
Copyright © 2017, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.