増刊号 図説「胃と腸」所見用語集2017
病理
横這型胃癌,手つなぎ型腺管癌(crawling-type adenocarcinoma of the stomach)
河内 洋
1
1がん研究会有明病院病理部
キーワード:
低異型度胃癌
,
WHYX lesion
Keyword:
低異型度胃癌
,
WHYX lesion
pp.702
発行日 2017年5月24日
Published Date 2017/5/24
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403201045
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定義
滝澤1)は,以下の病理組織学的特徴を示す胃癌を,“横這型癌(crawling cancer)”と呼んだ.①萎縮した粘膜を背景にして,細胞増殖帯に相当する粘膜の中間層を中心に,固有層内を広く進展する傾向が顕著.②不整な形態の腺管が互いに融合しながら,粘膜固有層内を水平方向に密度の低い増殖を示す癌で,核異型は軽い.③粘膜表層の上皮は腫瘍性腺管に連続するが,異型は認められず,どこまで癌とするか判断が難しい場合が多い.④印環細胞癌の所見を合併することがある.⑤腸上皮化生腺管に類似することも多い.
加藤2)は,特徴的な分岐・融合腺管の形態に着目し,“手つなぎ型腺管癌”と表現した.いずれの術語も同一病変を意味すると理解されている.“横這型・手つなぎ型癌”のように両者が併記されることもある.
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