増刊号 図説「胃と腸」所見用語集2017
病理
過誤腫(hamartoma)
岩下 明德
1
1福岡大学筑紫病院病理部
キーワード:
組織奇形
,
分離腫
,
過誤芽腫
Keyword:
組織奇形
,
分離腫
,
過誤芽腫
pp.699-700
発行日 2017年5月24日
Published Date 2017/5/24
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403201043
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定義
胎生期における組織の形成異常によって腫瘍様の奇形を生ずることがあるが,これは当該個体(宿主)組織と同調的平行的に発育する点が真の腫瘍(新生物)と異なる.Albrecht(1904)は,この腫瘍様組織奇形を過誤腫(hamartoma)と分離腫に分類した1).過誤腫とは,胎生期に組織成分の量的組み合わせの割合を誤ったがために生じたもの(例 ; 消化管のリンパ管腫,血管腫)(Fig. 1,2),分離腫とは同じく胎生期に組織成分の異所的分離迷入によって発生したもの(例 ; 消化管の異所膵)で,それぞれ腫瘍の外観に似て結節状を呈するが,通常自律的増殖は行わない.しかし,まれに過誤腫,分離腫が自律的発育に転じ,真の腫瘍となることがある.その場合は,それぞれ過誤芽腫(hamartoblastoma),分離芽腫(choristoblastoma)と呼ぶ.
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