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今月の主題 新しい小腸・大腸画像診断─現状と将来展望
序説
新しい小腸・大腸画像診断の現状と将来展望
Introduction
松本 主之
1
Takayuki Matsumoto
1
1岩手医科大学内科学講座消化器内科消化管分野
キーワード:
カプセル内視鏡
,
CT enterography
,
CT colonography
,
MR enterography
,
バルーン内視鏡
Keyword:
カプセル内視鏡
,
CT enterography
,
CT colonography
,
MR enterography
,
バルーン内視鏡
pp.863-865
発行日 2016年6月25日
Published Date 2016/6/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403200659
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はじめに
小腸・大腸は腹腔内に存在し,5m以上に及ぶ長い管腔臓器であり,腸間膜に固定されながら複雑な腸索を形成している.本邦では,胃の画像検査法として,二重造影を中心としたX線検査法と内視鏡検査法が開発され,その後腸疾患にも用いられるようになった.なかでも,注腸X線造影検査法と大腸内視鏡検査法は大腸疾患の診断と治療に大きく貢献したことは周知の事実である.
1980年代〜1990年代にかけて,大腸拡大内視鏡機器の開発・改良が進み,拡大観察が広く普及した.この流れは,その後の上部消化管病変の診断にも多大なる影響を与えている.一方,頭蓋内と実質臓器の画像診断法として開発されたCTやMRIは,1990年代以降,画像解像度が顕著に向上したこと,および非侵襲的検査法であることから消化管の画像診断法として積極的に用いられるようになった.
さらに,21世紀に入ってコンセプトの異なった2つの内視鏡検査法,すなわちカプセル内視鏡(capsule endoscopy ; CE)とバルーン内視鏡が普及し,小腸を含む全消化管の内視鏡観察が可能となった.そこで,本稿では小腸内視鏡検査,CTC(CT colonography),CTE(CT enterography),およびMRE(MR enterography)の現状と将来の展望について述べる.
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