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今月の主題 大腸T1(SM)癌に対する内視鏡治療の適応拡大
主題
大腸T1(SM)深部浸潤癌に対する完全摘除生検としてのEMR/ESD―私はこう考える;消極的な立場から
EMR/ESD as a local treatment for colorectal T1b (SM massive) Carcinomas: My View from the Negative Standpoint
赤松 泰次
1
Taiji Akamatsu
1
1長野県立須坂病院内視鏡センター
キーワード:
大腸早期癌
,
SM癌
,
完全摘除生検
,
EMR
,
ESD
Keyword:
大腸早期癌
,
SM癌
,
完全摘除生検
,
EMR
,
ESD
pp.1054-1056
発行日 2014年6月25日
Published Date 2014/6/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403114205
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はじめに
消化管腫瘍に対する内視鏡治療は,1980年代にEMR(endoscopic mucosal resection),1990年代後半にESD(endoscopic submucosal dissection)の手技が開発されて以来,飛躍的にその適応が拡大した.すなわち病変の形状や大きさの制約がなくなったことで,かつては外科的切除を余儀なくされていた病変に対しても内視鏡治療が適応されるようになったのである.しかし,内視鏡治療はあくまで局所治療であり,外科的切除と異なってリンパ節郭清を行わないことから,適応拡大あるいは内視鏡治療後に追加手術を行わずに経過をみた場合,リンパ節再発のリスクが問題となる.残念ながら現在のところ,術前でのリンパ節転移の有無の正確な診断や,不幸にしてリンパ節再発した症例を再治療することによって確実に治癒させる方法がないため,むやみに内視鏡治療の適応を拡大させることは戒めなければならない.
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