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書評「癌診療指針のための 病理診断プラクティス:食道癌・胃癌」
恒吉 正澄
1
1福岡山王病院病理診断科
pp.1449
発行日 2012年8月25日
Published Date 2012/8/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403113582
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本シリーズの総編集を担当する青笹克之先生はユニークな感覚をもって人体病理学に取り組んでいる病理学者である.青笹先生の提唱されたPAL(pyothorax-associated lymphoma膿胸に随伴する悪性リンパ腫)は慢性の肺疾患である肺結核に伴う悪性リンパ腫で,1例を丹念に解析された後に,長年の忍耐強い疫学調査を基盤に解明されたものである.1例1例の診断の重要さを物語っている.
この「病理診断プラクティス」の各シリーズは臓器別に取り扱われ,写真,シェーマ,図・表を駆使した実践的なアトラスの面と,各疾患を系統的に解説する教科書的な面を併せ持つ力作である.写真は大半が光学顕微鏡のヘマトキシリン・エオジン(HE)染色の組織像であるが,X線写真,内視鏡写真,肉眼写真なども積極的に取り入れ,また随所に免疫組織化学写真も加えられている.
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