胃と腸 図譜
胃内分泌細胞癌
宮永 太門
1
,
海崎 泰治
2
,
細川 治
3
1福井県立病院外科
2福井県立病院臨床病理科
3横浜栄共済病院外科
pp.1018-1020
発行日 2012年5月25日
Published Date 2012/5/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403113499
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1概念,病態
胃内分泌細胞癌は高異型度の腫瘍性内分泌細胞から構成され,急速に発育して早期より転移を来す予後不良の高悪性度癌である.「胃癌取扱い規約第14版」では特殊型の1つとして示されている.胃内分泌細胞癌の組織発生は分化型腺癌が先行的に発生し,内部に生じた腫瘍性内分泌細胞が急速に発育・進展する機序が推定されており,WHO分類1)では神経内分泌成分が70%以上のものを神経内分泌癌(neuroendocrine carcinoma),30~70%のものをmixed adeno-neuroendocrine carcinomaと呼称している.「胃癌取扱い規約」では,神経内分泌成分の多寡を分類には採用せず,内分泌細胞胞巣形成を示すものを内分泌細胞癌と称しており,量的に優勢な組織像に基づいて亜分類するという規定に相反する場合も発生する.発生頻度は胃癌全体の約0.6%で,やや男性優位が目立つ程度である2).
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