特集 図説 胃と腸用語集2012
治療
早期胃癌のESD適応病変,適応拡大病変,適応外病変(the indication of ESD for early gastric cancer)
萩原 朋子
1
,
小野 裕之
1
1静岡県立静岡がんセンター内視鏡科
キーワード:
内視鏡治療
Keyword:
内視鏡治療
pp.879
発行日 2012年5月24日
Published Date 2012/5/24
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403113445
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早期胃癌に対する内視鏡的切除の絶対適応としては,「胃癌治療ガイドライン」1)では,“リンパ節転移の可能性がほとんどなく,腫瘍が一括切除できる大きさと部位にあること”を原則とし,具体的には“2cm以下の肉眼的粘膜癌(cT1a),組織型が分化型.肉眼型は問わないが,UL(-)に限る”としている(Fig. 1).従来法のEMR(endoscopic mucosal resection)ではスネアを用いるため,一括切除できる大きさには限界が存在した.ESD(endoscopic submucosal dissection)の開発により,2cm以上の病変やULを有する病変も,技術的には一括切除が可能となり,適応拡大が検討されつつある.
Gotodaら2),Hirasawaら3)による,外科的切除をされた早期胃癌症例におけるリンパ節転移の検討により,転移のリスクを判断することが可能となった.このデータに基づき,ガイドライン上,適応拡大病変は,(1) 2cmを超えるUL(-)の分化型cT1a,(2) 3cm以下のUL(+)の分化型cT1a,(3) 2cm以下のUL(-)の未分化型cT1aと規定されているが,現時点では長期予後に関するエビデンスに乏しいため,JCOG0607などの結果が出るまでは臨床研究として行うことが望ましいと明記されている(Fig. 2).
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