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海外文献紹介「進行胃癌における姑息切除の評価」
小林 世美
1
1愛知県がんセンター第1内科
pp.900
発行日 1976年7月25日
Published Date 1976/7/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403113036
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Evaluation of Palliative Resection in Advanced Carcinoma of the Stomach: J. L. Stern, S. Denman, E. G. Elias, M. Didolkar and E. D. Holyoke(Surgery 77: 291~298, 1975)
アメリカでは,診断の遅れと誤診等の理由で進行胃癌が多い.この研究は,このような進行胃癌に施行される治療のうちで,姑息的切除が,非治癒胃癌患者での延命に大いに寄与することを示している.
対象例はまずTNMのStageで分類された.姑息切除の延命効果を知るためなので,特に進行しているStage ⅢとⅣの群を主に取扱った.このシリーズ中140例の胃癌での5年生存率は,わずか7例,5%で全例切除例であった.切除例の平均生存月数は,Stage Ⅰ,31.7カ月,Stage Ⅱ,41カ月,Stage Ⅲは,姑息切除19.4カ月,非切除例では7カ月,Stage Ⅳは,姑息切除で15.5カ月,非切除例では5.6カ月だった.Stage ⅢとⅣの間に有意差はないが,切除群と非切除群間には有意の差を認めた.
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