発行日 1977年2月25日
Published Date 1977/2/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403112478
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世界に先がけて1962年に日本で早期胃癌肉眼分類が提唱されて14年が経過したが,その間,この肉眼分類のimageの識者への滲透および彼らの努力により数多くの早期胃癌が発見され,適切なる手術により良好な成績があげられている.この間におけるこの「分類」が果たした役割は非常に大きく,この「分類」なくしては早期胃癌が現在のように多数に,また簡単に診断され得なかったであろう.たとえばⅡcという一語が持つimageの強さ,大きさ,また便利さはKonjetznyの表現などでは決して置換され得ないし,いわんや単純な潰瘍型等という表現では代用され得ない.こ払らの事実はこの「分類」が数々の問題を持つとはいえ,いかに優れたものであるかを実証しているといえよう.
元来形態学というものは主観が非常に大きなweightを持ち,まして形態に基づく分類となると益々この傾向は大きくなる.したがっていかに詳釈をつけても形態的分類には常に主観的な相違が出てくるが,かといって早期胃癌分類の主観的なバラツキを減少させる努力を怠るべきではない.その意味で西独での本分類に対する批判を契機にして本分類の再検討がなされようとされていることは大変有意義であり,それに関する本誌特集号(11巻1号)を興味深く読ませていただいた.
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