印象記
ドイツ放射線学会
有山 襄
1
1順天堂大学医学部消化器内科
pp.1110-1111
発行日 1975年8月25日
Published Date 1975/8/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403112367
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1975年のドイツ放射線学会は5月1日から3日間,BerlinのKongreßhalleで行なわれた.学会の前にドイツ放射線学会の主催でFortbildungsseminarがいつも行なわれるが,今年は多くのテーマの中に胃X線診断がとりあげられた,このSeminarは大学,一般病院と開業している放射線医師から参加希望者を集めて,テーマに関する最近の最も進歩した技術と診断を教育する目的で開かれる.消化器に関係するSeminarのテーマは胃X線診断法のほかに腹部血管造影,胆道造影があった.胃X線診断のSeminarのOrganizerはBerlin自由大学放射線科のDr. Jürgen Treichelで,昨年2月に国立がんセンターと順天堂大学に胃二重造撮法を2カ月間習いにきていたが,日本の胃X線診断学の進歩が欧米とあまりにもかけはなれているのに驚嘆して帰国して,日本の胃X線診断学をドイツに紹介したいという熱意でSeminarを組織したといういきさつがある.白壁教授と市川平三郎博士がこのSeminarに招待されたが,市川博士は同じ時期に東京で開かれた胃集検学会会長であったため,参加できなかった.自分は白壁教授の通訳として同行した.
Seminarは4月30日にBerlin自由大学で行なわれ,午前中はSymposium,午後は実際に胃X線フィルムを提示して参加者に読影させる形式で行なわれた.午後のX線フィルム読影はDr. Treichelが日本で早期胃癌研究会や国立がんセンターで市川博士のConferenceに出席してヒントをえて組織したものである.
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