印象記
西ドイツ,イギリス内視鏡学会
武藤 徹一郎
pp.1080-1082
発行日 1972年8月25日
Published Date 1972/8/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403109197
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最近,続けて上記2学会に出席する機会を得たので,簡単にその印象を記してみたい.
西独のエアランゲンは,ニュールンベルグから電車で40分の所にある小さな学園都市で,大学の内科はProf. Demlingのもとに,ヨーロッパの消化器内視鏡のメッカとなっているが,ここで第5回ドイツ内視鏡学会が3月10日から金土日の3日にわたって開催された,内視鏡学会と聞けば,消化器内視鏡がまず頭に浮んでくるが,消化器,胆道系はいうに及ばず,脳室,鼻腔,副鼻腔,気管,気管支,喉頭,尿管,膝関節更に輸卵管,後腹膜の内視鏡に関する演題まであり,人体の腔という腔は容赦なく内視鏡の管が挿入され直視下に検索されているという感があった.会場は大学医学部の大講堂で朝8:30から夕方6:30まで10分間の演題が計60題.類似演題2~数題毎に10分間の討論があり,活発な質疑応答が行なわれていた.討論の時スライドを使う質問者も少なくなかった.午前中に20分の休憩,昼食休憩が2時間とってあるのは大変ありがたかった.フランス,スエーデン,ルーマニア,イギリス,スイス,オーストリアからも演題が出ていたが,日本人の演題が4題あり―Tubaloscopy(毛利―横須賀)Duodenal diaphragma(木原―岡山)Stereoencephaloscopy(Iizuka-Bonn),Colonoscopy(武藤―東京)―心強いことであった.ドイツ人の講演中に日本の諸先生の名が度々引用されるのを聞くと,今更のように日本内視鏡学のレベルの高さを痛感させられた.
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