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今月の主題 胃の良・悪性境界領域病変
主題
胃の良・悪性境界領域病変―私はこう思う
Borderline Lesion of Gastric Mucosa
石舘 卓三
1
T. Ishidate
1
1秋田大学医学部第1病理
pp.1465-1469
発行日 1975年11月25日
Published Date 1975/11/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403112173
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癌の組織学的診断の指標は,浸潤性増殖像と細胞,組織レベルでの異型性であり,特に前者が悪性であるとの確実な証拠として重視されている.しかし浸潤性増殖の所見を把握しえず,しかも癌と同じくらい,またはこれに近い異型性を示す細胞で構成された病変をみた場合,これが本来生物学的に悪性腫瘍であるか,またこれが将来明らかに癌としての充分な所見をそなえるものになりうるかを決定することは,病理学的にもなかなか難しい問題である.しかし,このような良・悪性境界領域病変をどのように考え,どのようにとりあつかうかは臨床的にも非常に重要な課題である.近年,胃内視鏡,胃生検が発達するにつれこのような病態を示す胃粘膜良性・悪性境界領域病変としていわゆる異型上皮巣が注目されているが1)~5),今回はこのうち隆起型の異型上皮巣を中心に筆者の考え方をのべる.
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