今月の主題 胃潰瘍〔3〕
症例
Ⅱa型早期癌を疑わせた胃粘膜過形成の2例
野村 益世
1
,
平林 久繁
1
,
木山 保
2
1関東中央病院内科
2関東中央病院外科
pp.555-559
発行日 1966年9月25日
Published Date 1966/9/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403112072
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Ⅰ.まえがき
今年の日本内視鏡学会総会の研究討議会(昭和41年3月20日司会村上忠重教授)では,胃ポリープが取上げられ論議されたが,その席上ポリープというには隆起の程度が軽度扁平である良性上皮性の病変が問題になった.その際このような胃の上皮性の扁平隆起はほとんどが癌(Ⅱa型早期胃癌など)であり,養老院というような特殊な所を除けば,そのような良性上皮性の扁平隆起性病変はほとんど存在しないのではないかという発言がなされた.このような病変は松本1)によっても経験されているが,いずれにせよきわめてまれなものとされている.
著者らは最近このような胃粘膜の軽い隆起性病変で癌でなかった2例を経験した.Ⅱa型早期胃癌との鑑別診断上興味ある症例と考えられるのでここに報告する.
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