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編集後記
佐野 量造
pp.1752
発行日 1971年12月25日
Published Date 1971/12/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403111435
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私達国立がんセンターグループが早期胃癌図譜を出版した当時は早期癌が100例程度であった.編集委員がそれぞれの立場から肉眼分類を検討しているうちに,小形のBorrmannH型様の外見を呈する何例かの症例に遭遇し,これをどのように分類するかで議論が沸いた.その結果,周辺が隆起し中央の陥凹しているものをⅡa+Ⅱc型という分類で統一しようではないかということで,どうやら意見がまとまった.その当時のこの型の早期癌は粘膜下層に深く浸潤したものばかりであったが,その後年数がたつにつれて粘膜内の癌でもドーナツ型または環状を呈するものが出てきた.一方この名称が一般に使用されてくると人によってはBorrmannⅡ型様のもののみにⅡa+Ⅱcを限定すべきである,粘膜のものはⅡaまたはⅡcでよいではないかという意見が外部のあちこちから出てきた.
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