Japanese
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肉眼形態の判定基準
小さな表面型(Ⅱ型)大腸上皮性腫瘍―肉眼形態の判定基準―私はこう考える
Criteria of Macroscopic Feature of Small Colorectal Carcinomas of Superficial Type (Type II)
下田 忠和
1
Tadakazu Shimoda
1
1東京慈恵会医科大学病理
キーワード:
大腸上皮性腫瘍
,
陥凹型早期大腸癌
,
Ⅱ型大腸癌
Keyword:
大腸上皮性腫瘍
,
陥凹型早期大腸癌
,
Ⅱ型大腸癌
pp.872-873
発行日 1990年7月25日
Published Date 1990/7/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403111113
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- Abstract 文献概要
最近,10mmあるいは5mm以下の小さい大腸癌が発見されるようになり,その中には腺腫のような粘膜内隆起性病変と異なり,従来ほとんど認識されていなかった陥凹を主体とした粘膜内癌あるいは粘膜下浸潤癌もみられるようになってきた.それに伴い大腸癌の自然史,特に通常みられる進行癌の形成過程についても議論されるようになってきた.しかし,まだこれら小さな大腸癌の肉眼的特徴像は症例数も少なく明らかにされたとは言えない.最近盛んに使われている“扁平隆起性病変”とされるものは病理学的には粘膜内隆起性病変と,陥凹性病変が含まれており,この両者,さらには粘膜内癌と粘膜下浸潤癌はほとんど区別されていない1).そこで大腸進行癌と最も関連性があると考えられる陥凹型早期大腸癌の肉眼形態の特徴について,組織学的検討を踏まえたうえで述べることにする.
陥凹型早期大腸癌は筆者らが報告してきたnonpolypoid carcinoma(NPG-ca)に相当するもので2),筆者らが現在までに集積した陥凹型早期大腸癌は粘膜内癌18例および粘膜下浸潤癌42例である.肉眼的特徴を述べる前に,まず組織学的に癌と腺腫の診断学的問題がある.この点については中村ら3)の形態計測に準じて筆者らが行った形態計測の結果に基づいて,癌と診断された症例について検討した4).
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