今月の主題 前癌病変としての胃潰瘍とポリープの意義
ポリープの部
胃腺腫性ポリープの分類とその癌化について
佐野 量造
1
1国立がんセンター病理部
pp.725-728
発行日 1968年6月1日
Published Date 1968/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403110814
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Ⅰ.腺腫性ポリープの分類について
胃の腺腫性ポリープを表面上皮(腺窩上皮)及び偽幽門腺の不均衡な過形成にもとつく隆起物と定義し,これを茎の有無,粘膜筋板の挙上の態度から第1表の如く3型に分けて観察することにする.
1)球形(無茎性)ポリープ
外見はドーム状,半球形又は球形をなすもので,大きさは1.0cm程度のものが多くを占める.粘膜筋板は挙上するが,その尖端は天幕状を示し融合している.肉眼的に茎の存在は判然としない.組織学的には腺窩上皮または幽門腺の過形成が主体をなしている.
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