今月の主題 胃のびらん
綜説
いわゆるhaemorrhagische Erosionの内視鏡的観察
唐沢 洋一
1
,
山崎 又次郎
1
,
大野 光彦
2
,
村上 忠重
3,4
,
安井 昭
5
,
崔 相羽
5
1旭川市唐沢病院
2前旭川市唐沢病院
3順天堂大学第一外科
4前昭和大学
5昭和大学第一外科
pp.777-784
発行日 1967年6月25日
Published Date 1967/6/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403110564
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Ⅰ.hamorrhagische Erosionが捉らえられるまで
hamorrhagische Erosion出血性びらんは長い間病理の世界だけで知られていた.そして臨床的につかまえようがないと思われていた.それが最近になって,ようやくファイバースコープや最新型の胃カメラによってつかまえられるようになった.捉えてみると,それはやはり臨床的に重要な意義をもっていることが分った.
病理解剖から得られる胃は,一般に自家融解が強くて,余り組織検索の役に立たない.ことに自家融解は粘膜面に強いので,早期胃癌とか,胃炎とか,さらにはびらんとかといった病変の検査には不向きである.したがって胃の病理所見はこれまで余り重要視されていなかった.
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