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書評「続 統計学入門」
松山 秀介
1
1横浜市立大学小児科
pp.633
発行日 1985年6月25日
Published Date 1985/6/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403109876
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基礎的な実験であれ,臨床的な研究であれ結果の評価に統計学の手法が必須の時代になってきている.動物を使っての研究,症例についての研究では多くの数を対象とすることは困難であり,データのバラツキも大きい.数字を見ているだけでは傾向としての判断は可能であろうが,理論的裏付けがなければ,研究の価値,評価は低くなってしまう.学生時代の教科書あるいは新刊の統計学の解説書を読んでも実際にどれを,どのように処理したら,目的とする評価が可能となるのか,理解するのに苦しむ人が多いのであろう.著者は医師であり,医学部公衆衛生学講座に長く所属し,医学研究の統計処理について造詣が深く,既に16年前に統計学入門を執筆され,医学者に多く利用されている(改訂第4版,1984,\2,200).本書はこの間の読者や関係者の注文を十分に取り入れ,より実用的な内容となっており,前書の応用篇と言えるものである.
第1章:得られたデータを解析するにはいかなる統計学的方法を用いたらよいか,では6つの方法を挙げ,実例につき解説してある.第2章:計算方法,では実際の計算方法から,その評価の仕方について述べられている.1.平均値,2.百分率,3.相関関係と回帰直線,4.分散分析,5.Ridit分析を行う場合,6.Ridit分析,t検定,x2検定,Mann-Whitneyのn検定の比較,7.生存率の求め方と2つの生存曲線の差の検定,から成っている.それぞれ目的,方法,利用法,有意性の検定法,評価について実例を挙げ,解説されている.
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