胃と腸ノート
新しいX線写真の技術(3)
山田 達哉
1
1国立がんセンター放射線診断部
pp.189-190
発行日 1985年2月25日
Published Date 1985/2/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403109694
- 有料閲覧
- 文献概要
FCRによるX線写真は,像が非常に鮮明で,診断しやすいことは既に述べた.もう1つのFCRの特徴は,撮影時のX線量を大幅に低減できることである.少ないX線量でも写真が撮れるということは,従来ならば露出不足で像にならないような場合でも,FCRならば写真になるということである.Fig. 1を見ていただきたい.再立位充盈像第1斜位像である.普通ならば,上部の二重造影の部分がこのようにはっきりと描写されると,下部の充盈像の所は露出不足になりがちで,この写真のように上も下も共に明瞭に描写されることはまずない.
Fig. 2は,従来の二重造影像撮影の場合に比較して1/20の線量で撮影したものである.ご覧のように,胃小区像が非常にはっきりと描出されており,そんなに少ないX線量で撮影したX線写真とは到底考えられない.
Copyright © 1985, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.