Coffee Break
大腸内視鏡うら話(1)
武藤 徹一郎
1
1東京大学第1外科
pp.1152
発行日 1984年10月25日
Published Date 1984/10/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403109630
- 有料閲覧
- 文献概要
大腸内視鏡がこんなに発展,普及するとは15年前に誰が予想したであろうか.何事によらず,物事の進歩は後からみればそのようにみえるものなのかもしれない.
町田製の60cmの内視鏡を携えて,わずか5例の経験(?)をもとにSt. Marks病院に乗り込んだのは1970年の暮であったが,当時イギリスには嘘か実か大腸内視鏡は1台しかなかったという.いずれにせよ,英語もロクに話せない日本人が“無用の長物”を持ってきたとしか映らなかったのは,まだ日本の経済力の強さがそれほど浸透していなかった当時のイギリスでは,当然の反応であったと言うべきであろう.
Copyright © 1984, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.