学会印象記
第69回日本消化器病学会総会―肝・胆を中心に
関谷 千尋
1
1旭川医科大学第3内科
pp.773-774
発行日 1983年7月25日
Published Date 1983/7/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403109489
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今年度の消化器病学会総会は医学会総会とほぼ時を同じくして大阪で開催された.会場となった大阪ロイヤルホテルは,近代的な装いのなかにも落ち着いた風格を有しており,伝統のある本総会には格好の会場のように思われた.しかも,今総会の会場数が11に及んだにもかかわらず,その多くがこのホテル内で開けたため,会場を移動する時間が少なくて非常に助かった.
肝(胆)の演題は研究範囲が広く多方面にわたるため発表数も多く,一般演題だけでも245に及んだ.しかも会長の主たる研究分野が肝であためか,肝に関する研究の到達点と問題点を浮き彫りにしようとする意気込みが強く感じられた.具体的には会長講演において免疫性胆汁うっ滞を,特別講演に特発性門脈圧充進症を配し,シンポジウムには免疫性肝障害を,ワークショップには胆道狭窄の問題を,そしてポスターシンポジウムには肝硬変成因の問題と肝癌の病態診断・治療に関する問題をテーマとしていた.更に,主題ポスターに肝癌,肝と免疫,肝硬変を設定していた.まさに肝オンパレードで第2日目の午後は肝(胆)に関するテーマが5会場にもまたがっていた.すべてを聞けるわけではないが自分で聞いたり,他の会員の話を聞いてみても,それなりに成功したように思われる.
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