一頁講座
消化器病学の用語をめぐって―(1)噴門
竹本 忠良
1
,
山田 和毅
1
1東京女子医科大学消化器病内科
pp.936
発行日 1972年7月25日
Published Date 1972/7/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403109207
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噴門という言葉はしばしば食道胃接合部(gastroesophageal junction)と同義語的に用いられているが,esophageal orifice of the stomachとして定義されている.この墳門の機能は食物の通過を容易にし,胃内容物の食道内への不本意な逆流をふせぎ,胃内から曖気あるいは必要に応じ嘔吐をさせるいわゆる弁の作用をしている.
下部食道の解剖学的,X線検査はずいぶん古くから行なわれているが,この部の機構に関しては多くの問題が残されている.PalmerのClinical Gastroenterologyに述べられているように,食道・胃境界の部分は一つのorgan-complexとしてこれに生理解剖学的な意義づけを行なうことが必要である.
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