胃と腸ノート
幽門近傍―消化器病学の用語をめぐって
竹本 忠良
1
,
山田 和毅
1
1東京女子医科大学消化器病センター
pp.812
発行日 1973年6月25日
Published Date 1973/6/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403108560
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幽門部およびその近傍に発生した潰瘍の名称として,juxtapyloric ulcer,prepyloric ulcer,pyloric ulcer,ulcer of the pyloric channel等があることはよく知られている.このような名称が不統一な理由の最大なものとして,潰瘍の組織学的発生部位を正確に臨床的に決めることがむずかしいことがあげられよう.
昔の胃鏡ではこの領域はさだかに見えなかったし,X線的にも潰瘍が胃側なのか十二指腸側なのか正確に診断することがむずかしいので,幽門近傍潰瘍のような言葉が生れたのである.
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