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編集後記
信田 重光
pp.1266
発行日 1981年11月25日
Published Date 1981/11/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403108296
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内視鏡診断学の進歩,特にERCPの開発やPTCの普及によって,近年,診断面で著しく関心を引いてきた疾患の1つに膵・胆管合流異常と先天性総胆管拡張症がある.本誌の胆道・膵シリーズの中で,特に新しい分野に焦点を当てたいという意図により,本号の特集にこれが取り上げられた.
春日井博士による序説は,この疾患の歴史的概観より診断・治療に至る臨床的問題点が文献的にまとめられており,この疾患を考えるうえでの手引きとなるであろう.そして,わが国でこの疾患を数多く経験しておられる中沢博士,古味教授,中島博士らによる旧来のAlonso-Lejの分類に対する独自の分類の提唱,膵・胆管合流異常に関する知見の報告,またこの疾患での高頻度の癌発生の原因に対する考察などは,この疾患の成因の解明,病像の分析の面で,まさに世界をリードする業績と言いうるものである.また,小児についての小児外科の宮野博士の論文も,小児と成人におけるこの疾患の関連性を知るうえで有益であろう.
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