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編集後記
信田 重光
pp.501
発行日 1971年4月25日
Published Date 1971/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403111601
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X線,内視鏡,細胞診,生検標本,切除標本,病理組織標本などの色とりどりのきれいな数多い写真を特徴としている本誌で,診断面とはいささか遠いテーマが今月号の特集となった.編集会議でこのテーマがとり上げられた理由は,「胃と腸」の腸の方を育てる意味合いと,また消化管の穿孔は臨床的には重要な地位を占める疾患であるだけに,消化管各部の診断学が進歩して来た現時点における病像の再認識という意味合いもあったものと思われる.その意味で老人や新生児の穿孔を含めて,胃・十二指腸潰瘍,胃癌の穿孔などが主題としてえらばれ,それぞれの分野のエキスパートである山城先生,植田先生,並木先生,西先生方の論文をいただいて骨組みをし,信田が総論的なことを述べ,さらに比較的珍らしい穿孔例を症例提示の形で諸先生方にまとめていただいた.そして技術解説として青山先生に穿孔を起こしやすい十二指腸潰瘍の診断面を,また診断の手ほどきの欄を急性腹症としての消化管穿孔症例をたくさんお持ちの四方先生に御担当いただいて消化管穿孔のしめくくりをしていただいたものである.消化管穿孔の現時点における病像の特徴が浮きぼりされれば,この特集の意義があったものと思われる.
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