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海外文献紹介「皮膚と消化管の血管腫の1例」/他
酒井 義浩
1
,
小林 世美
2
1東京医大内科
2愛知県がんセンター第1内科
pp.82-84
発行日 1976年1月25日
Published Date 1976/1/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403107076
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Hemangiomatosis of the Skin and Gastrointestinal Tract: Report of a Case: Hagood, M. F., and Gathright, Jr., J. B. (Dis. Col. Rect. 18: 141, 1975)
症例,34歳女性.1年にわたる1日4~8回の下痢と新鮮血混入とを主訴に来院.22歳時頭皮に小青色斑が出現,急速に拡大.最近同様の変化が顔面,背部に出現.家族に皮膚血管腫や消化管出血を来たした者なし.理学的には隆起した青色のゴム様病変が後頭部頭皮にあり.右腰部に無数の青色皮下病変が存在.直腸鏡にて歯状縁から12cm以上に多数の隆起した0.5~1cmのpolyp様病変あり.介在する粘膜は浮腫状で他は正常.皮膚と直腸病変の生検は細血管性血管腫を示した.血球数,凝血学的検査異常なし.上部消化管X線検査では多数のpolyp様陰影欠損を十二指腸と空腸上部に認めた.注腸X線では多数のpolyp様病変を直腸,S状結腸,下行結腸に認めた.内視鏡的には食道と胃は正常であり幽門より十二指腸にかけて血管腫からなる多数の粘膜下腫瘍を認めた.大腸でも同様の変化をX線と同部位に認めた.選択的動脈撮影は肝,十二指腸,空腸上部,下行結腸,S状結腸,直腸にわたる多発血管腫を証明した.消化管の広範侵襲と出血は少量であることから,外科切除は適応とされず,保存療法と対症療法とを施行.
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