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編集後記
村上 忠重
pp.114
発行日 1976年1月25日
Published Date 1976/1/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403107083
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11巻1号.ほんとうに10年経った.前に発刊当時のいきさつは書いたことがあるので繰り返さないが,あの時には恐らくうまく行くだろうという夢があり,うまく行かなくても元々という安心があった.以来10年経てばと歯を喰いしばってがんばったが,同時にそこまで来れば大安心の境地に達せられるかと夢見てきた.ところが10年経ってみると,やはり大きな不安がつき纒っていることが分った.それではその不安を一つ此所で根底から掘り起してみようということになり,先ず手をつけたところが,本号の記事のごとくになった.
この肉眼分類の再検討という問題はむしろそっとしておいた方が無難だという気持があった.しかし全編集委員で相談したところ,兎に角あいまいに流さないで徹底的に洗おうということになった.それが余りに徹底的であり過ぎた証拠は本号の座談会の内容で明らかなように,一回の座談会ではとうとう再合意に達することが出来なかったことである.がんセンターから連続100例の早期胃癌のスライドを出してもらって,各自が答案を書き,それをまとめたのち不一致の多い順にもう一回それを見直した.
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