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書評「画像診断のための知っておきたいサイン」
片山 仁
1
1順天堂大学
pp.140
発行日 1984年2月25日
Published Date 1984/2/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403106949
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本書はわが国で初めての企画と考えられる“計測値”の姉妹篇として出版されたものである.非常に簡潔に図解入りで画像診断に際して常識的となっている所見(サイン)をまとめたものである.非常にハンディな本でサインに関する知識を整理するのに都合が良い.図解は思いきって簡略化されており,結果としてサインの特徴をよく表現している.原著が出て時間がたつと,各人のサインに対する理解は,原著と少しずつ変わって,修飾されていくのが常である.時に原著が意味する内容と異なったものにすりかえられる危険がなくもない.フィルム読影カンファレンスなどで所見を説明する場合―サイン陽性といえば一口で済み,情報の交換に非常に便利であるが,もし人によって同一サインに対して異なった意味付けをしているとすれば,もはや共通語(情報伝達の媒体)とはなりえない危険がある.したがって―サイン陽性という表現はその内容を正しく理解して使うべきであるというのが小生の持論である.サインにはいろいろなサインがあり,数えあげれば大変な数になるであろう.サインの中にはその言葉からイメージが湧いてくるものもあるが,一方,イメージとは全く無関係につけられた呼び名のサインもある.人名を冠したものであったりすると,その分野の専門家以外には何の意味もない言葉になってしまう.
このように―サインには便利さと共に不便さがある.本書を通じて皆がサインを正しく理解し,正しい共通語として使用できるようになると思う.
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