今月の症例
Ⅱc+Ⅲ型早期胃癌の1例
馬場 保昌
1
Yasumasa Baba
1
1癌研究会附属病院内科
pp.384-386
発行日 1992年4月25日
Published Date 1992/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403106779
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〔患者〕48歳,男性.主訴:8年前から時々空腹時に心窩部痛があり,その都度,近医で胃X線・内視鏡検査を受け,胃潰瘍の診断のもとに治療を受けていた.1986年2月,胃内視鏡検査の結果,手術を勧められた.
〔胃X線所見〕背臥位第2斜位の二重造影像(Fig. 1a)では,胃角部小彎側に不整形のニッシェが認められる.ニッシェ部の陰影は淡く,輪郭は不整である.ニッシェ全体がⅡcのように見える.集中するひだはニッシェの周囲でなだらかに太まり,ニッシェ辺縁で中断している.立位圧迫像(Fig. 1b)では,ニッシェ周囲の粘膜は隆起し,ニッシェの輪郭は不整で線状のはみ出したような陰影が認められる.ニッシェ内には小さな顆粒状陰影も数個認められる.腹臥位圧迫像(Fig. 1c)では,不整形ニッシェの小彎側と肛門側に淡い陰影が認められる(矢印).
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