研究会だより
大腸疾患研究会
多田 正大
1
1京都第一赤十字病院第2内科
pp.240
発行日 1992年2月25日
Published Date 1992/2/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403106733
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“大腸疾患研究会”,どこにでもありそうな名称の研究会であるが,どっこい,この会の歴史は古い.昭和49年,当時は大腸疾患やその検査法に対する臨床医,病理医の認識がまだ十分にゆきわたっていなかった時代であったが,京都府立医大・川井啓市教授のこ発案で,胃診断学だけでなく,大腸疾患の勉強会を開こうという目的で発足したのが研究会の発端である.発足当時の代表メンバーは森川進先生(京都市立病院),湯川永洋院長(湯川胃腸病院),白鳥常男教授(奈良医大),安富正幸先生(阪大),奥田茂部長(大阪成人病センター),小林絢三先生(大阪市大)であり,病理側から谷口春生部長(大阪成人病センター),島田信男教授(京都府立医大)のご協力を仰いだ.より多くの若い消化器科医に関西流の大腸疾患に対する考え方を普及する目的で,遠く和歌山県から奈良県,滋賀県,京都府,そして地元の大阪府や兵庫県まで,関西一円に広く参加を呼び掛けた.
当時,東京で行われている早期胃癌研究会ではまだ大腸疾患は話題に取り上げられておらず,東京にはない関西流の研究会を育てようといろいろと工夫を行ってきた.第1回の研究会には癌研・丸山雅一先生をお招きして“大腸癌およびポリープの診断”という講演をお願いした.当時,新進気鋭の丸山先生は「大腸癌とポリープ」(医学書院)を刊行したところであり,先生の大腸疾患に対する熱い思いを会員一同感銘を受けながら拝聴したものであった.
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