Japanese
English
今月の主題 急性胃粘膜病変(AGML)
序説
狭義のいわゆるAGML
Introduction
多賀須 幸男
1
Sachio Takasu
1
1関東逓信病院消化器内科
pp.609-610
発行日 1989年6月25日
Published Date 1989/6/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403106470
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AGMLはまことに便利な言葉である.本誌の読者の多くは,AGMLと聞けば,前庭部に白苔もしくは黒苔に覆われた大小のびらん性病変が散在している内視鏡像を頭に浮かべるに違いない.更にもし合併症がない患者なら,強い腹痛を訴えていても,H2ブロッカー・制酸剤・粘膜保護剤を投与すればじきに症状は治まり,予後も心配なかろうと想像されよう.
AGMLとは,もちろん急性胃粘膜病変のことである.急性の胃粘膜の病変と規定すると,当然,本特集に述べられているような様々な病変が含まれることになる.しかし筆者の気持としては,AGMLというときは上記のものに限りたい.非科学的であるがAGMLと急性胃粘膜病変と分けたいのである.狭義のいわゆるAGMLとも称すべきであろうか.頭部外傷などの重篤な病変時や消炎鎮痛剤により生じた胃体部の急性胃潰瘍は,敢えてAGMLと呼ぶこともないし,小生の持つAGMLの語感に似合わない.同様な感想をお持ちの読者もかなりおられるのではなかろうか(暴言多謝).
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