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初心者講座 食道検査法・17
食道癌肉眼分類の解説(2)進行型
How to Diagnose Esophageal Diseases (17)
渡辺 寛
1
Hiroshi Watanabe
1
1国立がんセンター病院外科
pp.587-591
発行日 1989年5月25日
Published Date 1989/5/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403106464
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新しい肉眼分類(案)の分類上の基本的立場
近年,食道癌の個性追求の要望から,術前治療を行わず手術が行われるようになった.その結果,食道癌の肉眼形態が多種多彩であることが判明し,従来の規約上の肉眼分類が臨床の場で役に立たなくなった.そこで,約2年間検討され,1988年6月18日,第42回食道疾患研究会で下里幸雄博士(国立がんセンター病理部長,食道癌病理分類改訂委員長)より発表された分類(案)はTable1のごとくである(著者もこの改訂委員の1人として参画した).そして分類上の基本的立場では,①消化管全体の共通の肉眼分類に近いものにするが,食道の特徴を出すよう努力すること,②粘膜面の形態を重視するが,予後を反映する割面の性状も参考にすること,③粘膜上皮の癌進展を明確にするためにルゴールや色素染色法による所見を参考にすること,などが重視された.以下,1型から4型の進行食道癌の肉眼型について,食道癌の進展,予後を加味した解説を行う.
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