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初心者講座 食道検査法・15
食道癌の組織学的分類(案)と各組織型の解説
How to Diagnose Esophageal Diseases (15)
下里 幸雄
1
,
板橋 正幸
1
Yukio Shimosato
1
1国立がんセンター研究所病理部
pp.349-353
発行日 1989年3月25日
Published Date 1989/3/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403106421
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食道疾患研究会による現行の食道癌組織分類は1972年に改訂されたもので1),当時は食道癌に対して術前放射線治療がほぼ全例に行われていた時代でもあり,また症例数の蓄積も現時点に比べれば数少なく,満足すべきものとは言えない。肉眼型分類については粘膜癌や上皮内癌が発見されるようになり,大改訂を迫られ,昨年6月の食道疾患研究会で,その案が示された2).その後病理分類検討委員会では肉眼分類にとどまらず,組織型分類の改訂も必要であるとの立場に立って,規約委員会の了解を得て,現在組織分類の改訂を行っている(注).東京在住の組織型分類改訂委員(注*)がようやくその叩き台を作ったところで,これから数か月にわたり十分な検討を重ねることになる.したがってここに示す改訂分類(案)の素案(Table 1)は大きく変貌する余地を残しているが,編集委員会の要望により,あえてこれを軸に組織型分類と各組織型の解説を試みることとした.
以下それぞれの腫瘍につき図示しつつ説明を加える.改訂に当たって問題となっている点はその都度説明することとする.
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