特集 早期食道癌1995
主題
Ⅰ.診断
4.内視鏡的超音波診断
内視鏡的超音波診断
河野 辰幸
1
,
大島 昌宏
1
,
遠藤 光夫
1
1東京医科歯科大学医学部第1外科
キーワード:
高周波数細径超音波プローブ
,
超音波内視鏡
,
食道表在癌
,
深達度診断
,
ソフトバルーン内超音波走査法
Keyword:
高周波数細径超音波プローブ
,
超音波内視鏡
,
食道表在癌
,
深達度診断
,
ソフトバルーン内超音波走査法
pp.365-374
発行日 1995年2月26日
Published Date 1995/2/26
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403105353
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要旨 食道表在癌の内視鏡的超音波診断には高周波数細径プローブが適しており,表面形態観察と同時に微細な超音波断層像が得られる.SONOPROBESYSTEMに関する基礎的研究によれば,食道壁は7~13層に描出され,通常は9層構造をとる.従来型超音波内視鏡像との互換性を考慮した層の命名では,3a層(高エコーまたは高-低-高エコー)が粘膜筋板に由来する.臨床的にはソフトバルーン法などの工夫を要すが,ラジアル/リニア走査の併用が診断上有用で,3a層所見の分析による粘膜癌と粘膜下層癌の鑑別をはじめ,腫瘍の壁内進展状況など,表在癌の詳細な超音波断層診断が可能である.しかし,微小浸潤の同定やリンパ組織の増生などとの鑑別には問題が残され,m1・m2とm3以上の鑑別は95%に可能であったが,現在のところ,微細深達度診断のoverall accuracyは79%にとどまっている.
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