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書評「NIM内分泌・代謝病学 第4版」
斎藤 宣彦
1
1聖マリアンナ医科大学第3内科
pp.1521
発行日 1997年10月25日
Published Date 1997/10/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403105230
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最近の内分泌学や代謝病学は,そのコアとなる知識の大部分を分子生物学関係の知見が占めている.そのため,このコアの部分における新たな知見の集積は,周辺の学問に多大な影響を与え,飛躍的な進歩をもたらしている.
20世紀もあと10年というあたりから,この進歩の速度が急加速したように思う.後世の人々は世紀末の大進歩の時代などと呼ぶのかもしれない.それはあたかも,ジャンボ機の離陸のときのように,あのばかでかい銀色の物体が神を恐れる気配など微塵も見せずに,想像をはるかに越えた速度と角度で急上昇していくのにも似ている.そして,油断していると,上昇速度について行けずに振り落とされそうな気持ちにさえなる.評者は,今,この領域の進歩に遅れまいと,新知見という風圧を受けながら,歯をくいしばって尾翼の尻尾のほうにどうにかこうにかしがみついている状態である.
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