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今月の主題 腸型Behçet病と単純性潰瘍の長期経過
序説
腸型Behçet病と単純性潰瘍―混沌とした疾患の再構築をめざして
Introduction
多田 正大
1
Masahiro Tada
1
1多田消化器クリニック
キーワード:
腸型Behçet病
,
単純性潰瘍
,
炎症性腸疾患
Keyword:
腸型Behçet病
,
単純性潰瘍
,
炎症性腸疾患
pp.147-149
発行日 2003年2月25日
Published Date 2003/2/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403100928
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腸型Behçet病も単純性潰瘍もすこぶる奇妙な腸管の炎症性疾患である.病理学的には単純な炎症であるものの,病因から病態,治療法はよくわからない疾患である.一応,非特異性炎症として潰瘍性大腸炎やCrohn病と同列に取り扱われているが,疾患頻度が少ないためであろうか,臨床サイドでは十分に研究されていない点が多い.
予後の良いケースもあるが,逆に難治例も少なくない.腸切除術後も再発し,瘻孔を形成して生活にも支障を来し,Crohn病と同様の末路を辿る.Crohn病の場合は一応の診断基準や治療指針が明確にされており,難治性疾患であってもそれなりの診療手順は確立されている.腸型Behçet病にもBehçet病の一亜型としての診断基準はあるものの,治療法については決め手がない.単純性潰瘍も診断は容易であるが,治療法については首を傾げる.
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